Google検索で、ヒット件数が表示されなくなった件について
Google検索時に表示されていた、「ヒット件数・秒数」の表示がなくなりましたよね。
これまで検索結果として表示されていた数字と秒は、検索結果が見つかるまでにかかった時間と、見つかった総ページ数を示すものでした。
たとえば、検索をかけたキーワードで、約500,000件 (0.45秒) と返された場合、「約0.45秒で500,000件の検索結果が見つかりました」という意味で、Googleの検索アルゴリズムの速さと、該当キーワードに関連するページの数を示していたわけですね。
さて、いくつかのフォーラムやGoogle bird(Googleが開発した対話型AI生成モデル)の回答をチェックしたところ、Googleは2023年11月1日に、検索結果から検索に要した秒数とヒット件数の表示を廃止したとありました。
しかし、見慣れた表示が廃止されたことにより、多くのユーザーが違和感を感じているようです。
ヒット件数が表示されなくなったことで一般ユーザーが被る問題点は、主に2つあると思います。
わたしは普段、Google Chromeを使用しているのですが、FirefoxやMicrosoft EdgeなどChrome以外のブラウザでのGoogle検索では、従来どおりにヒット数が表示できていたようです。
しかし、本記事執筆時点(2024年5月現在)では、ブラウザを変えても表示されない仕様になっているようですね。
また、アドオン(拡張機能)やプラグインの無効化、キャッシュ・Cookieの削除、ログアウトなどを行うことで、表示されなかったGoogle検索エンジンでのヒット数が表示されたという報告も以前は見られましたが、現在ではこれらの対処法も有効性を欠く模様です。
なぜ、ヒット数の表示をやめたの?
ところで、なぜ検索ヒット数を廃止したのかですが、この変更はGoogleの検索結果の質を改善するための継続的な努力の一環と考えられます。
ご存じのとおり、Googleのアルゴリズムやシステムは、正確な件数を維持することよりも、ユーザーに関連性の高い高品質な結果を提供することを優先しています。
検索件数は、クエリの複雑さ、言語、データセンターの違いなどによって大きく変わることがあり、そもそも表示結果の件数が正確ではないというのがあります。
そのためユーザーが検索結果の質や関連性を見極めるうえで、ヒット件数を基準にするというのは、UXの観点から不十分であると判断したと考えられます。
またGoogleは近年、検索結果に表示される低品質の内容や、スパムコンテンツの可視性のあるページを減らすことに重点を置いており、検索結果に表示されるサイト数を絞り込んでいます。
要は足切りでして、たとえば、Googleの検索エンジンで「キングダム 大将軍の帰還」というワードを入れて検索し最下部にまで降りていくと、「もっと見る」という項目が出てきます。


これを押してさらに下までスクロールしていくと、検索結果はわずか135サイトで打ち止めになります。

以前のGoogleは、インターネット上のほぼすべてのページを、検索結果に表示することが可能でしたが、現在はユーザーに関連性の高い高品質な結果を迅速に提供することを優先しています。
検索結果に表示するサイト数を絞り込んだ結果、いわば「まとめサイト」のような表示形式をとっているんですね。
「ここから再検索してください。」から除外対象のサイトを確認することはできますが、ピックアップから漏れた情報を見る人は多くはないでしょう。
Googleのこの変更方針は、多様な視点や意見が、検索結果から排除される可能性を孕むという見方もできますが、低品質で怪しいコンテンツを検索結果から除外することで、ユーザーが有益な情報にアクセスしやすくなる可能性を高めるものになっています。
ヒット件数を確認するための代替案は?
①:デスクトップ環境であれば、「ツール」のタブから表示できる
すでにお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、デスクトップ環境であれば、検索結果の右端にあるタブ [ツール] を開くことで、ヒット数と秒数が表示されます。


なお、タブレット(i-pad Pro2012年モデル)とスマホ(iPhone13)のモバイル端末で見るところ、[検索ツール]というタブがありますが、PC上のようにヒット数と秒数は表示されませんでした。
今後の変更については不明ですが、PC上で確認できるのも暫定的な措置で、いずれは表示されなくなる可能性が高いかもしれません。
ヒット件数を重視するかしないかは人それぞれですし、PC版でタブを開くのはぶっちゃけ手間なので、ユーザー各自の判断で、表示・非表示を選べる設定にすればいいのにと、個人的には思いますね。
②:Google以外の検索エンジンを使う
Google Chromeをメインブラウザで使っている人の場合、検索エンジンでもGoogleを使用している人が多いと思いますが、Microsoft BingやYahoo!などの検索エンジンを使うことで、ヒット数の確認はできます。
ただし検索エンジンの仕組みは各社によって違います。それぞれ異なる特徴やアルゴリズムに基づいた結果を返す点を、理解して使い分ける必要があるでしょう。
ちなみにYahoo!とBingは2009年に提携し、Yahoo!の検索エンジンはBingによって駆動されています。
そのため、Yahoo!とBingのランキング要因はほぼ同じ基準に基づいており、Yahoo!とBingに対するSEO対策はほぼ同じアプローチで行うことができると考えられています。
③:キーワードプランナーで検索ボリュームを確認する
「キーワードプランナー」とは、Google広告の配信時に使うキーワードや検索ボリュームなどを調べられるツールです。
ここでいう「検索ボリューム」とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードが、1か月間にどれだけ検索されたかを示す数値と考えてもらってOKです。
たとえば、1か月で3,000回検索されたキーワードの検索ボリューム数は「3,000」になります。
キーワードプランナーでの検索ボリュームの調べ方は以下のとおり。
①:Googleキーワードプランナーにログインする
②:「検索ボリュームと予測のデータを確認する」をクリック
③:調べたいキーワードを入力
④:検索ボリュームを確認
キーワードプランナーは無料で利用できますが、無料利用だと検索ボリュームが正確に取得できず、「1,000~1万」といったおおよその数値が表示されます。
ただしキーワードプランナーはあくまで、Googleの検索広告を利用するための補助ツールであり、検索ボリュームも「検索広告を表示できる可能性がある回数」であって、実際に検索されている回数と異なる場合がある点に注意が必要です。
また、指標として検索キーワードのトレンド状況を把握するのであれば、Googleトレンドと併せて活用するのがおすすめです。
正確な値を取得するには、少額でも広告を出稿する必要がありますが、キーワード選定の参考にするぶんには十分でしょう。
Googleトレンドは、特定のキーワードの検索量の変動(人気度の動向)を、全体を100%とした指標から情報を得ることができます。
表示される0〜100の数字は実数値ではなく、人気度の相対的な指標になります。つまり人気度の最高値を「100」とし、それと比較して現在がどのくらいの人気度なのかが表示されます。
また、「地域別」「言語別」「カテゴリ別」「デバイス別」のようにカテゴリに分けての情報得も可能です。
④:ラッコキーワードで月間検索数を調べる
「ラッコキーワード」は、無料で使える多機能キーワードリサーチツール。操作も見た目もとことんシンプルで使いやすいのが特徴です。
広告のマーケティングやブログの執筆、動画コンテンツの設計などキーワード戦略を立てるうえで役立つ機能が揃っているので、ヘビーユースしている方も多いでしょう。
有料プラン(月額440円〜)限定機能にはなりますが、「月間検索数(検索ボリューム)の取得」というメニューがあり、入力したキーワードのGoogleの月間検索数(年間平均値)、CPC($)、競合性、変化率(直近1ヵ月と直近1年平均の比較)を取得できます。
以下は公式サイト掲載のサンプル画像です。

検索バーに調査したいキーワードを入力して検索をかければ、各キーワードの月間検索ボリュームが表示されるので、どのキーワードが多く検索されているのか、いま人気のあるキーワードは何かを効率的に見極めることができます。
また、指定したキーワードに関連する他キーワードの検索ボリュームを取得することもできるので、そこを踏まえることで訴求幅をさらに広げ、ターゲットとの関連性の高いコンテンツを作成するのに役立てられるでしょう。
代替案を活用しつつ、引き続き効果的な検索やSEO対策を実践しよう
というわけで今回は、Google検索でヒット件数・秒数の表示がなくなった件について、理由と代替案を取り上げてみました。
現状、デスクトップ環境での閲覧であれば、「ツール」タブからヒット数・秒数の表示は確認できます。完全に廃止されたわけではないのでご安心を。
この度の変更は、ユーザー体験の向上と検索結果の質を優先するための措置であることから、個人的にネガティブな印象はありませんが、見慣れていたぶん、ちょっぴり寂しい気もしますね。
本記事で触れた代替案を活用しつつ、効果的な検索やSEO対策を、引き続き実践していくための参考にしてもらえれば幸いです。
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①:表記ゆれの確認: ある用語に表記ゆれがある場合、どちらがより一般的に使用されているかを知る指標が失われる。
②:検索結果の判断: 検索結果の質や関連性を判断するための情報が減少する。