メリット・デメリット紹介記事で収益を得るための見せ方【広告収入0円からの脱出】

 

 

商品・サービスのメリット・デメリットを紹介して訴求する場合、「メリット・デメリットを並べればいいんでしょ?」で書き始めるのはイマイチです。

 

ポイントになるのは、メリット(=良いニュース)とデメリット(=悪いニュース)の見せ方でして、ここを意識しているかで読み手の印象はだいぶ違うものです。

本記事では、某広告代理店の編集者兼ライターの私が実践で得た知見から、「メリット・デメリット紹介記事で収益を得るための見せ方」について解説しています。

   

 

メリット・デメリット紹介記事で収益を得るための見せ方

 

 

人は、表と裏の両面を伝えられると安心する

 

「モノを売るには、メリットだけではなくデメリットを伝えよう」といった類いのことがよく言われます。

これは心理効果でいう「両面提示の法則」からきていて、人はメリットばかり伝えられると「何か裏があるのでは?」と疑う生き物です。

なので「おいしいところ」ばかりではなく、「おいしくないところ」も隠さず伝えたほうが安心できる場合があります。

 

ビジネスシーンにおいて、特に交渉の初期は売り手への信頼関係が築けていないので、「おいしくないところ」をいきなり切り出してしまうと書い手は不安になります。

でも、おいしいところをしっかりと伝えたうえでおいしいところを切り出せば、「まぁ、それくらいなら」と許容範囲として受け止めてもらいやすいものです。

むしろ「おいしくないところ」を隠し続け、支払いのタイミングで切り出すとかのほうが危険です。買い手からすればダマされたような気になり、直前でキャンセルされる可能性もあります。

また、「おいしくないところ」を隠さず正直に伝えることで、「誠実なセールスマンだな」と好感を与え、購買意欲を促す効果が期待できます。

 

良いニュースと悪いニュース、「どっちが先か」問題

 

 

「良いニュース」と「悪いニュース」はどちらから伝えたほうがいいのか?

伝える相手や内容によってもケースバイケースですが、2つの心理効果の観点から説明します。

 

Yes But 話法

 

 

 

「Yes But 話法」という伝え方があります。

ざっくり言うと、悪いニュースは切り出す際、いきなりストレートに伝えるのではなく、ポジティブ要素のあるジャブを入れてから伝えるというものです。

たとえば上司の前山さんが、遅刻の常習犯である部下の伊藤くんを咎めたいときに「Yes But法」を取り入れるとこんな感じです。

 

前山さん

山田くん。今月の営業成績が好調ですね。

吉田部長も『あいつはよくやってるよ』と褒めてましたよ。私もそう思います。

伊藤くん

いや〜、それほどでもないですよ。

前山さん

・・・ただ、遅刻が少し多いようですね?

勤怠のほうも同じくらい好調だと完璧ですね!

伊藤くん

・・・そ、そうですよね。気をつけます!!

 

「悪いニュース」は基本的に、相手に精神的なダメージを与えるものです。

なので最初にネガティブなインパクトを与えてしまうと、伝えられた側はショックから「心ここにあらず」状態になる場合があります。

その状態になると後半に良いニュースが待っていたとしても、素直に喜べなくなったり、うまく頭に入ってこなかったりします。

 

「良いニュース」というジャブを先に入れておくことで、「悪いニュース」というストレートのダメージを軽減できます。

「悪いニュース」を伝えることが本命である場合、まずは「良いニュース」でジャブを入れてから切り出すという順番にする。

伝える内容自体は一緒ですが、相手に与える印象・ダメージは随分と違ってくるはずです。

 

親近効果 

 

 

人は、現在にもっとも近い経験の印象が記憶に残りやすく、その影響を受けやすい性質があります。心理学では「親近効果」といいます。

たとえばウェブ広告の場合、購入ボタンやバナーリンクなど買い手になんらかの行動(=クリック)を促したいタイミングでは、「完全無料」とか「今だけ20%オフ」といったポジティブな文言が置かれていることがあります。

これも親近効果の一種で、「ポジテイブな印象」が最新の記憶として残っているほうがクリックしやすくなるためです。

 

「ポジテイブな印象」は、人に行動を起こさせるための着火剤のようなもの。人や物事に対して、良いイメージやポジティブな記憶が残っていれば、あらかじめわかっているデメリットや不安も越えて行動できます。

逆に言えば、「ネガティブな印象」が読み手の最新の記憶として残っていれば、不安や迷いにつながりクリック率は下がります。

だからこそ悪いニュースは先に伝え、最新の記憶が「良いニュース」で上書きされているほうが、行動につながりやすいのです。

 

人は学習した翌日、内容の74%を忘れている

 

「エビングハウスの忘却曲線」という実験を知っていますか?

ざっくりいうと、「人は時間の経過とともにどれくらい忘れるのか」を数値化したものです。

実験の結果、「人は20分後には42%、1時間後には56%、1日後には74%を忘れる」という結果が得られました。

 

いま読んでいるあなたも、この記事の内容をどんどん忘れていっている訳ですね。

先ほど、人はもっとも現在に近い経験の印象が記憶に残りやすく、影響を受けやすい「親近効果」の話をしましたが、それを狙ううえで効果的なのが、記事の総括やまとめです。

たとえばメリット・デメリットの訴求記事なら、以下のようにポイントを一覧化して提示して「おさらい」すれば、読み手の記憶に残りやすくなります。理解度も深まって読後感もよくなるでしょう。

【おさらい】〇〇で得られるメリット・デメリット
【デメリット】【メリット】
その1その1
その2その2
その3その3
その4その4
その5その5

 

悪いニュースは、良いニュースの間にはさむ

 

 

Yes But 話法」や「親近効果」を踏まえて私がよく使うのが、デメリット(=悪いニュース)をメリット(=良いニュース)の間にはさむ、という見せ方です。

イメージ的には以下な感じ。リンクボタンやバナー・テキストリンクは文脈で適宜添える感じです。

■各見出しのタイトル(サブヘッド)

1:メリット
2:デメリット
3:メリット

1:デメリット
2:メリット 

 >> リンクボタン・バナー・テキストリンク

 

■各見出しのタイトル(サブヘッド)

1:デメリット
2:メリット 

1:メリット
2:デメリット
3:メリット

 >> リンクボタン・バナー・テキストリンク

 

この型を使う際に覚えてほしいの以下の3つだけです。

✔ デメリットの内容は、メリットの内容を伝える段落との間にはさむ

✔ 文脈上はさめない場合はデメリットが先。メリットより後に置かない

✔ デメリットは正直に伝えすぎるのもよくない

 

✔ デメリットの内容は、メリットの内容を伝える段落との間にはさむ

 

人の行動は「ポジテイブな印象」から生まれます。読み手に何らかの行動を促したいなら、読み手がその物事に対し、ポジティブな印象を持っていないといけません。

でも先述のとおり、「おいしいところ」ばかりだと客観性に欠け、メリットが悪目立ちする場合があります。

そこで、悪いニュースを良いニュースでサンドイッチするようにはさむように伝えると中立的な視点を確保でき、悪目立ちも防げます。

 

✔ 文脈上はさめない場合はデメリットが先。メリットより後に置かない

 

悪いニュースを良いニュースではさむと、最終的にはポジテイブな内容で締まる文章になります。

先述のとおり、人はもっとも現在に近い経験の印象が記憶に残りやすく、影響を受けやすい性質があります。

文脈上はさみにくい場合は出てくると思うので、その場合は先にデメリットの内容を、メリットの内容は後で記載しましょう。

クリックなど何らかの行動を促すうえでは、なるべくネガティブな印象で文章が締まらない方が有効と考えられます。

  

✔ デメリットは正直に伝えすぎるのもよくない

 

ブログでレビュー記事(アフィリエイト)を執筆する場合、最終的なゴールは商品・サービスを買ってもらうことですよね。

レビュー記事では「ありのままを伝える」ことが大切ですが、セールスにおいては正直に伝えすぎるのもよくありません。

 

よさそうな商品だと思ったんだけど、このブログを見る限り、デメリット多いみたいなんだよね。買うのはやめとこう。買う前に知れてよかった。

 

注意喚起は感謝はされても、収益0円です。

 

メリット・デメリット訴求で書く以上、「おいしくないところも知りたい」という読み手のニーズには応える必要があります。

とはいえ、商品・サービスに「ポジティブな印象」を持ってもらえないことには、行動につながらないのです。

ポジティブな印象は「買う」という行動へつながりますが、ネガティブな印象は「買わない」という行動を選択させて終わります。

要するに「夢を与えろ」ってことですが、良いニュースと悪いニュースの見せ方や順番、バランスを考慮し、ネガティブな印象づけや注意喚起だけで終わっていないか、再確認してみるといいですね。

  

最後に本記事のポイントをおさらいして筆を置きます。

 

✔ 商品のメリット・デメリット訴求で記事を書く場合、メリット(=良いニュース)とデメリット(=悪いニュース)を出す順番と見せ方がポイント。

✔ 人は、表と裏の「両面」を伝えられると安心する。売り手と買い手の間に信頼関係が醸成されてない段階では、「おいしくない情報(デメリット)」を正直に伝えたほうが誠実な印象を与え、信頼を得られやすい。

デメリットの内容はメリットの内容ではさむように伝えると中立的な視点を確保でき、悪目立ちも防げる。

✔ 文脈上はさみづらい場合はデメリットを先に、メリットは後で伝える。相手に何らかの行動(ボタンクリックなど)を促したい場面では、なるべくポジティブな印象で文章が締まっているのがいい。

✔ デメリットを伝えすぎると「夢がなくなる」ため、セールス面においては逆効果になりかねない。ポジティブな印象づけは「買う」につながるが、ネガティブな印象づけは「買わない」という行動を選択させる。

✔ 記事のポイントをおさらい(総括・まとめ)すると親近効果が働き、読み手の記憶に残りやすく、理解度も深まるため読後感が良くなる。

 

ご精読ありがとうございました。

今回は「収益を得るためのメリット・デメリットの見せ方」について解説してみました。

広告収入0円から脱出したいあなたの、ヒントになればうれしいです。

 

 

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ABOUT US
HiraQ編集者/WEBライター/WEBデザイナー
都内の某広告代理店勤務。Web広告のライティング、編集、デザイン業務に従事。当サイト(Writehack.-ライトハックドット-)では主に、Webライターやブロガー、Webデザイナーに役立つ記事をゆるく発信。山梨出身。いて座のO型。犬より猫派。ラーメンは塩派。サッカーはプレミアリーグが好き。