写経は「分析とセット」で文章力が上がる!【意味あるか?と思ってる人にほど推したい】

 

某広告代理店で編集者兼ライターをしているHiraQです。

時々、ライティング初心者や新卒の方から「文章力を上げるにはどうしたらいいの?」と訊かれることがあります。

さまざまなアプローチがあるでしょうが、ハードルが低く、やる気さえあればスグに始められる方法として「写経」を推してます。

 

でも「写経するといいよ」とかいうと、、、

それよく聞くけど、本当に意味ありますか?

 

と渋い顔をする人が多い(笑) 

本記事は、「ブログやセールスの文章を書くための文章力を上げたいんじゃ!」と思っていて、

・「写経って意味あるの?」

・「そもそもなんで文章力がつくの??」

・「だったら効果的なやり方を教えてよ!」

というあなたに向けて書いています。参考になれば幸いです。

 

 

書き写すことで、その文章に宿る独特のリズムや文体(スタイル)を体感的に捉える

 

 

写経とは、キャッチコピーやセールスレター、書籍、Webサイトなどの文章を書き写すことです。

自分が読んでいて「気持ちいい」と感じられる他人の文章を書き写すことで、その文章に宿る独特のリズムや文体(スタイル)を体感的に捉えるといったものです。

理屈や理論で書き方を学ぶというより、「身体で感じ取って覚える」運動的ニュアンスが強い気がします。

   

写経で文章は上手くなる? → 「やる意味あるか?」って人にほど推したい

 

 

私は、文章力を鍛えるトレーニングとして、写経することには肯定派ですが、最初は「やる意味あるか?」と思っていました。

誤解がないように言いますが、文豪や有名コピーライターの文章を書き写しても、文章の技術や表現力が飛躍的に向上するとは思いません。

そもそも何をもって「文章力」と定義するのかでも捉え方が変わりますが、ここでは「文章を面白く書くための力」と仮定します。

名文と呼ばれる文章や、自分が読んでいて「気持ちいい」とか「読みやすい」とか感じられる文章に多く触れ、何度も書き写していると、「自分だったらこうは書かない(思いつかない)」とか、「自分ならこんな(陳腐な)表現でラクをしてしまいそう」などと、自分の書き方のクセや欠点に気づきやすくなります。

するとブログなどで自分の文章を書いてるときにふと、「あの書き手なら、こんな言い回しをするかもしれないな」「あの書き手なら、こんな雑な表現は絶対しないはずだ」と、理想とする書き手に自分を重ねることで、一段階上の表現を探そうとします。

すると慎重に言葉を選ぶようになり、表現の引き出しも増えていく。そこから文章を面白く書くための力である「文章力」の向上に繋がっていくのです。

 

書き写す方法は、手書きorタイピングどっちがいい? → どちらでもOK

 

 

書き写しの方法は、ノートに手書きでもタイピングでもどちらでもいいと思います。

ただ手書きの場合、RAS(脳幹網様体賦活系)が活性化し注意力・集中力を高めることから、記憶に定着しやすいといわれています。

まずはパソコン入力で、余裕があれば手書きでもやってみるのがいいかと。

あと、文章を書き写す際、頭の中で文章を読んでいますが、なるべく「音読」しながらやるのがおすすめです。音読をすると前頭前野(記憶や思考、判断などを司る部分)を活性化させることが研究からもわかっており、写経の効果を高めてくれます。

   

写経は「分析」が重要。思考停止状態でやっても得られるものは少ない

   

 

効果的な写経を行うために重要なのが「分析」です。

具体的には、対象のコピーやセールスレター、ブログなどの文章を読み、書き手の狙いやその表現が実際にもたらしている効果などについて推論するのです。

 

・なぜ、「いいな」と思ったのか?(自分の心が動いた理由を考える)

・なぜ、「このような伝え方」をしているのか?(書き手の狙いを考える)

・なぜ、この文章は気持ちいいと感じるのか?(句読点や改行、漢字・カタカナ・ひらがなのバランス、改行など文章のデザインなどに注目する)

・なぜ、この文章はわかりやすいのか?(文章の構造や論理の組み立て方、言い回しやたとえ表現などに注目する)

  

思考停止で文章をダラダラと書き写しても気づきは少ない。「書き手はこういう意図で、こう伝えているのかな?」と推論し、自分なりに仮説を立てながら書き写していくことが重要です。

するとフォント(赤字や太字、ハイライトなど)やイラストひとつ取っても、書き手の思惑が見えてきたり、その文章に宿る独特のリズムや文体(スタイル)を体感的に捉えたりできるようになっていきます。それを繰り返していくことで、実際に自分の文章としてアウトプットできるようにもなっていくのです。

 

写経のやり方の正解は? → 「絶対的な正解」はない

   

 

写経のやり方に「正解」はないですが、参考までに私のやり方を紹介します。

まずは対象の文章を1回黙読、次に1回音読。そして音読しながら書き写していきます。

文字を目を追い、手を動かして書き、口に出してみる。身体を使って覚えようとすると「身体が覚えている」状態になり、記憶にも定着しやすくなるのです。

 

ただし、人間の脳は「重要ではない情報」はすぐに忘れるようにできています。脳が「これは重要な情報だ」と判断するのは、何度もくり返して使われる情報です。

なので「音読5回×写経5回」を1セットやり、1週間後に1セット、2週間後にまた1セットで計15回くらいですね。

「そんなにやるの?」と思うかもですが、私の場合、5回くり返したあたりから、その文章に宿る独特のリズム感や文体(スタイル)が掴めてくる実感があります。

そこから自分の文章としてアウトプットできるようになるまで、最低でも10回の書き写しが必要といった感じです。

 

なんでも反復すればいいってものじゃないですが、「継続は力なり」という言葉もあります。

せっかく時間・労力を割いて写経するのなら、自分なりに身につく実感のあるやり方を徹底しようって話です。

 

写経の題材はどんなものがいい? → 自分好みで選んでOK

 

 

写経の題材は、「読んでいて気持ちが良いな」「この人の書く文章って憧れるな」と思う“自分好みの文章”でいいと思います。そのほうがモチベーションも上がり、飽きにくいので。

セールスレターやPR広告などビジネスに特化した文章力を磨いていきたいなら、商業的成果を出しているスワイプファイル(文章を書く際に参考にする制作物を集めたファイル)を写経するのもいいですね。

たとえば、成功哲学の権威として知られるロバート・コリアー氏の『オールウェザーコート』『O・ヘンリー短編集』のセールスレターとか定番ですね。

「どっちも知らんよ」という方は、上記2点の詳しい分析・解説も載っている『伝説のコピーライティング実践バイブル―史上最も売れる言葉を生み出した男の成功事例269』(神田昌典 著)で学ぶのがおすすめです。

少しお高めですが、セールスライティングのスキルを磨くうえで間違いのない一冊ですよ。

 

 

私は、「いいな」と思ったセールスレターやコピーを見つけたら、とりあえずストックするようにしています。

でも実際に写経までするものは少なく、「アレンジが利いて使いやすい」と思う実践的な文章をくり返し写経することのほうが多いです。

スワイプファイルを集めることは表現の引き出しを増やすうえで良いことですが、ストックが多すぎても、いざ使おうとする際に引き出しづらかったり迷ったりするんですよね。

スワイプファイルはは「いかに活用するか」が大切です。ストックを増やすことが目的ではないので、「あのコピーが使えそうだ」と思ったとき、サッと抜き出せる“少数精鋭”のほうが使い勝手もいいと思いますよ。

 

あと、あなたが書きたい文体(スタイル)や書く目的に合っていないのなら、名文と言われるコピーでも必ずしも写経する必要はないでしょう。

「別にこういうのを書きたいわけじゃないんだよなあ」と思いながらやっても、あまり染み込まないので。

「有名なコピーだから」で写経の題材を選ぶのではなく、「読者としてのあなたの心」がときめいた文章を写経したほうが納得感があり、実入りもあると思います。

 

個人的にオススメな、ライトで写経しやすい題材3つ

 

参考までに、ライトな文章量で写経しやすい題材を3つ紹介しておきます。 

①:読売新聞コラム『編集手帳』

②:クロネコ屋の無料メルマガ講座のPR文章

③:Slackのリリースノート

 

①:読売新聞コラム『編集手帳』

 

 

私は一時期、新聞のコラムの写経をよくやってました。語彙力を増やすうえでも効果的なトレーニングだと思います。

新聞のコラムは時事ネタから暮らしの話題まで内容が毎日変わるので、飽きません。

朝日新聞の『天声人語」、毎日新聞の『余録』など好きなものでいいのですが、個人的には読売新聞の『編集手帳』を推します。

理由は以下のとおり。

 

①:扱う題材は身近なものが多く、感情移入しやすい

②:エッセイのようで読みやすい

③:文字数が約460文字と他紙より短い

 

新聞のコラムは、筆力に優れたベテラン記者たちが、短い文字数でわかりやすく書いています。

なかでも編集手帳は文字数が短く、高度な構成力・要約力・文章力が要求されます。そのぶん密度が高い。「老若男女に伝わる文章」を学ぶのにうってつけの題材だと思います。

写経は慣れてないうちは脱落しやすいので、いきなり長文に挑むよりも500文字以下のコラム写経から入ったほうが書く習慣も身につきやすいですよ。

編集手帳を読むには購読(有料)する必要があるので、まずは本(傑作選)を読んでみて、「やれそう」と思えたら購読を検討してみてはどうでしょうか。

 

>> 読売新聞コラム 竹内政明の「編集手帳」傑作選 Kindle版

 

②:クロネコ屋の無料メルマガ講座のPR文章

 

続いて、元作家のブロガー・経営者・マーケターのクロネコ屋さんが、自身の公式ブログ内で紹介されている無料メルマガ講座のPR文章です。

随所にセールスライティングが施されており、「マジで稼げるかも……」と想像を掻き立てられます。一読した私は、流れるようにメルマガを購読していました。

 

画像出展:クロネコ屋の超ブログ術【PR】無料メルマガ講座はじめました よりスクリーンショット

 

以下、一部引用です。(全文の確認は公式ブログでどうぞ)

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(中略)

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注目すべき点がいくつもありますが、ここでは2つだけ挙げてみます。

まず秀逸なのが、「最小限の努力でお金持ちになれる方法を知りたいですか?」という入りですね。

問いかけられることで、読み手は「私に話しかけている」と当事者意識を感じられ、聞く耳を持ちやすくなります。

そのあとに「最小限の努力で」と強調することで、読み手が「頑張りすぎない」ことが前提になっています。こうすることで、「難しいことや面倒なことならやりたくない」という読み手の心理的負担を下げ、「はい」を誘導しやすくしています。

「YES誘導話法」といって、人は相手に対し「Yes」と賛同する態度を最初に示すと、その後に「No」と言いづらくなる心理が働くのです。

記事の冒頭で読み手が「Yes」と答えやすい質問をすることにより、続きを読み進めてもらいやすくなる効果があるのです。

 

二つ目は以下の一文です。

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こちら、「無料」というワードを、「無料」「タダ」「0円」の3つの言葉で言い換えていることにすぐ気づきましたか?

人は「無料」という言葉に弱く、同様に「タダ」「0円」も目を引きつけやすいワードです。

「タダ」はキャッチーな響きから読み手の心理的負担を下げる効果があり、「0円」には「1円もかからない」「損は絶対しない」といった安心のニュアンスが含まれます。

「無料」だけでは反応しにくくても、「タダ」「0円」の文言も目に入ることで振り返る人は確実に増えます。このように「ヒキのあるワード」の言い回しを変えることで、読み手の興味や関心を高められます。

このように「なぜ、この伝え方をしているのか?」「どんな狙いがあるのか?」を推論しながら写経することで、いろいろな気づきを得られやすくなるのです。

 

ちなみにクロネコ屋さんの『A8.net(ASP)』のランクは「ブラックSSランク」だそうです。アフィリエイトブログを書くための文章力を磨きたいなら、クロネコ屋さんのブログを写経の題材にするのが近道かもしれませんね。

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③:Slackのリリースノート

 

最後に紹介するのが、Slackのリリースノートです。

リリースノートとは、新しいソフトウェア(の版)を提供する際に公表される、以前の版からの変更点や不具合の修正点、利用上の注意点などをまとめた資料のことですね。

このリリースノートが脚光を浴びるきっかけになったのが、Twitterユーザー K S Y(@qea_tokyo)さんのツイートです。

 

 

そして、このリリースノートの「何がスゴいか」を、UXライター・コピーライターのnaoさんが的確な分析からnoteでわかりやすく解説されています。

受け入りの情報で恐縮ですが、私はこちらを一読した後、速攻で写経しちゃいました。 

 

>> SlackのUXライティングが名文だったので写経した

 

naoさんがポイントとして挙げていたのが、「共感・理由・人格」です。ここにフォーカスするとこのリリースノートがいかに相手の視点・気持ちを重視して書かれている「Youメッセージ」であるかがわかります。

大半のリリースノートは自分・自社視点で書かれた「Meメッセージ」で、一方的に情報を送られるだけの印象が強かったので、こんなにも伝わってくるリリースノートは衝撃的でした。

naoさんクラスの観察眼で推論・仮説を立てることは簡単じゃないですが、「写経 × 分析」にで得られる気づきは圧倒的に増えます。

naoさんのnoteを参照しつつ、ぜひ写経してみてください。

 

くれぐれも思考停止した状態でダラダラと写経しないでくださいね。それだとタイピング精度の練習になっちゃいますよ。

 

本記事のポイントをおさらい

 

お疲れさまでした。最後に記事のポイントをおさらいして、筆をおきます。

 

 

 

✔ 写経とは、キャッチコピーやセールスレター、書籍、Webサイトなどの文章を書き写して、文章力を鍛えるトレーニング。自分が読んでいて「気持ちいい」と感じられる他人の文章を書き写すことで、その文章に宿る独特のリズムや文体(スタイル)を体感的に捉えるというもの。

✔ 読んでいて「気持ちいい」とか「読みやすい」とか感じられる文章に多く触れ、何度も書き写していると、「自分だったらこうは書かない(思いつかない)」とか、「自分ならこんな(陳腐な)表現でラクをしてしまいそう」などと、自分の書き方のクセや欠点に気づきやすくなる。

✔ 書き写しの方法は、ノートに手書きでもタイピングでもどちらでもOK。ただ手書きの場合、RAS(脳幹網様体賦活系)が活性化し注意力・集中力を高めることから、記憶に定着しやすい。

✔ 写経は音読しながらやるのが効果的。文字を目を追い、手を動かして書き、口に出してみる。運動的に記憶しようとすることで「身体が覚えている」状態になり、理解・記憶定着もしやすくなる。

✔ 写経の効果を高めるには「分析」が重要。「なぜ、この書き方をしているのか?」と推論し、自分なりの仮説を立てることで得られる気づきは圧倒的に増える。

✔ 写経の題材は、自分が読んでいて「気持ちが良い」「こういう文章に憧れる」といった“自分好み”でOK。名文と呼ばれるコピーやスワイプファイルでも、「読者としてのあなたの心」がときめいてなければ、写経しても得られるものは少ない。

 

ご精読ありがとうございました。

「写経って意味あるの?」と懐疑的な人ほど、得られるものがあるはずです。

 

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ABOUT US
HiraQ編集者/WEBライター/WEBデザイナー
都内の某広告代理店に勤務。Web広告の編集やライティング、デザインに従事。ブログでは主に、Webライターやブロガー、Webデザイナーに役立つ記事をゆるく発信してます。出身は山梨、いて座のO型、猫派。サッカー好きのPSGサポです。