さて、娯楽には2種類があることをご存知でしょうか?
「フロー概念」で有名な心理学者ミハイ・チクセントミハイ氏によると、娯楽は「能動的娯楽」と「受動的娯楽」の2つに大別できるそうです。
①:能動的娯楽

能動的娯楽とは、自分から積極的に行動を起こし、楽しみを生み出す娯楽のことです。
具体的には、楽器を演奏したり、写真を撮ったり、将棋をさしたり、スポーツをしたり、文章を書いたりする活動などが含まれます。
これらの活動は自分の意思で行われ、スキルの向上や目標の設定を必要とする娯楽であることから、自己成長やスキル向上につながりやすいとされています。
②:受動的娯楽

受動的娯楽とは、自分以外のものから受け取る娯楽であり、特別なスキルや集中力を必要としない活動を指します。
具体例としては、テレビ視聴、YouTube鑑賞、マンガやゲームが挙げられます。
受動的娯楽は、リラックスや気晴らしには向いていますが、長時間続けると依存症のリスクもあり、自己成長につながりにくいとされています。
「フロー状態」とは、何かに完全に没頭し、精力的に集中しているときに生じる高度な集中状態のことを指します。
スポーツでいう「ゾーン」や、『テニスの王子様』に登場する「無我の境地」に似た状態をイメージすると分かりやすいでしょう。
能動的な娯楽を楽しむ時間が長い人は、この「フロー状態」に入りやすく、集中力を高める効果が期待できるため、自己投資としても有効だとされています。
なお、フロー状態は特別な才能を持つ人だけが経験するものではありません。
たとえば、仕事や遊びに熱中していたら、気づけば1日が終わっていた、というような体験もフロー状態に入っていたと考えられます。
能動的娯楽と受動的娯楽の大きな違い
子どもの頃、親から「ゲームなんて時間のムダだ」とよく言われました。
確かに、ポテチをつまみながらただボーっとプレイしているだけでは、ゲーム内でのレベルは上がっても、現実世界で役立つスキルには結びつきにくいかもしれません。
しかし、ゲームやアマプラ(Amazon Prime Video)、マンガなどの受動的娯楽でも、関わり方次第で自己成長を促すことができる、というのが今回の記事のポイントです。
たとえば、2時間弱の映画を1本観たあとで、
・面白かったんだけど、内容をぼんやりとしか覚えてない
・映画の概要や見所を、他人にわかりやすく説明することができない
という人は、映画を見終わった後に、
・友達に映画のポイントを、1分でわかりやすく説明する
・映画のレビューを、ブログやSNSで公開する
といった具合に、アウトプットを行うのを前提にすることで、能動的に映画を観なければならない理由をつくるといいでしょう。
映画の内容を他人に伝えたり、レビューを書いたりするには、かなり真剣に観る必要があります。
受動的に「ただ見ただけ」でレビューを書いても、薄っぺらい感想や陳腐な表現しか出てこないでしょう。
しかし、見終わった後に「友達に1分で説明する」や「SNSやブログで全世界に向けて発信する」といったアウトプットが決まっていれば、適度なプレッシャーを自分にかけることができます。
このとき、脳は重要な情報を見逃さないように「選択的注意」を働かせるため、脳が受け取る情報量が増え、理解度も高まり、記憶の定着にも効果的です。
アウトプットを前提に、映画を能動的に観ることで、集中力や注意力を維持しながら没頭できるため、アウトプットの精度も高まります。
このようにプレッシャーをかけて、脳をサボれない状態に追い込むことで、受動的娯楽でも、能動的娯楽へシフトできるのです。
ブログで長文の映画レビューを書くのは、慣れていない人は、Xのツイート程度の短い文字量から始めるのがおすすめです。文字数制限があるため、要約力を鍛えるトレーニングにもなりますよ
日常的に映画やアニメ、マンガを鑑賞しているけれど、ほとんど記憶に残っておらず、特に学びにもつながっている実感がないなら、けっこうモッタイナイとは思いませんか?
受動と能動のバランスを意識する
世の中に存在する娯楽の大半は、受動的娯楽です。しかし、あなたが娯楽に費やしている時間が圧倒的に受動的寄りで偏りがある場合、バランスを意識するといいかもしれません。
たとえば私の場合、ゲームが好きなんですが、数年前までオフライン専門で、ソロプレイしかしていませんでいた。ソロは楽しいのものの、休日を一人、ゲームで終わらせてしまった後に生じる虚無感がイヤになってきて、もっと達成感のあるものにできないかと思っていました。
そこで、仕事関係で知り合ったライターやデザイナー、エンジニアなどにも声をかけ、ゲーム同好会的なコミュニティを立ち上げました。
すると、仕事以外の場でもコミュニケーション構築がはかれ、有意義な情報交換ができたり、新しいビジネスの展開につながる機会が増えたんですよね。こうした実利は、ゲームを“受動的”に楽しんでいる時期には、まず得られなかったものですね。
また、わたしは電車通勤で毎日45分程度の移動時間が発生するのですが、電車内の中吊り広告やポスターをチェックして、「勝手に添削・提案ゲーム」をやったりして過ごしてます。
たとえば、
「フォントのバランスが悪いので、リュウミンに変えてみたらどうでしょうか」
とか
「見出しの文字が2行にまたがってる必要性があまりないので、1行にスッキリと収めて、一目で情報が飛び込んでくるようにしてみませんか」
とか
「意味が重複している情報を削れば余白ができ、圧迫感を減らせますよ」
といった具合に、消費者とクライアントの視点・利益を考えたうえで、実際に提案するシチュエーションを思い浮かべるといった感じですね。
電車内ってわりと集中しやすいですし、思考停止でスマホをいじって過ごすより、能動的に過ごす時間に変えることでスキルアップも図れるでしょう。
過度の受動的娯楽は“堕落”でしかない

誤解がないように言っておきますが、ストレス解消や疲労軽減などに役立っている実感があるのなら、リラクゼーションの時間として映画鑑賞やゲーム、漫画を楽しむのはもちろん賛成です。
最初に言ったように娯楽は仕事・勉強を頑張るためにも必要なものですし、娯楽があるから頑張れるってもんですよね。
ただし能動的に費やす時間より、受動的に費やしている時間のほうが圧倒的に長い場合は、見直す必要があるでしょう。
というのもゲームやドラマなどの娯楽は「脳が次々に見たくなるような反応」を狙って作られているため、見始めたら止まらなくなる依存性があるからです。
ある調査によると、YouTubeなどの動画を目的なく連続視聴しているときの脳の状態は、ドラッグ中毒者と同じ依存状態にあるそうです。
つまり、過度な娯楽は本来必要ではなく、堕落でしかありません。
また、目的意識が明確だった能動的娯楽であっても、知らず知らずのうちに受動的娯楽へシフトし、惰性化している場合があるので、受動と能動のバランスが偏っていないか、時々見直すことも大事ですよ。
ではさいごに、本記事内容の実践として、アマプラで能動的に映画鑑賞してみましょう。
以下は私がチョイスする、アマプラで無料視聴できる学びの多い映画。どれも普遍の名作ですよ。
①:ショーシャンクの空に(字幕版)(1995年/フランク・ダラボン監督)
②:最強のふたり (吹替版) (2012年/エリック・トレダノ監督)
③:フィールド・オブ・ドリームス (字幕版)(1989年/フィル・アルデン・ロビンソン監督)
④:マイ・インターン(吹替版)(2015年/ナンシー・マイヤーズ監督)
⑤:最高の人生の見つけ方 (字幕版)(2007年/ロブ・ライナー監督)

単なる娯楽でも、明確な目的を持った上で能動的に楽しむ工夫を取り入れることで、新たな発見や学びを得られ、自己成長を促してもいけます。
ゲームやアマプラ、マンガなどの娯楽は、人生をより充実したものにするために必要なものですが、受動と能動のバランスを整えることも大切ですね。
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ゲームや映画、マンガが大好きなHiraQです。
きつい仕事や退屈な勉強を頑張るためには、娯楽が欠かせませんよね。娯楽があるからこそ、今日も頑張れるというものです。