「この記事ではこんな内容について書いていますよ」
「この記事を読めば、こんなことがわかりますよ」
と記事の概略を伝え、読み手の理解を助けるための文章です。本でいうと「まえがき」にあたります。
役割としてはそういうものなんですが、リード文は記事のジャンルやその日の気分で、なんとなく展開を考えるのではありません。
毎回、型に沿って書くのが鉄則 です。
型に沿って書くのを徹底することで、段々と自分なりのテンプレート(必勝パターン)がつかめてきます。その書き方がデフォルトになればしめたものです。
なので、リード文をどう書いたらいいかわからない問題は、型に沿って書くを徹底することで解決できます。
そして、リード文を効果的に書けると、以下のようなメリットが期待できます。
✔ 型に沿って書くことで書き方に迷いがなくなる。結果、執筆スピードが上がり、記事質も良くなる
✔ 読み進めてもらえることでページの読了率が上がり、サイト内の回遊率、ページ滞在時間も伸びる
✔ ユーザエンゲージメントの観点からもSEO的にプラス。サイト全体のアクセスアップや検索順位のアップが期待できる
そこで今回は、某広告代理店の編集者兼ライターのわたしが実践で得た知見をもとに、
①:リード文が重要な3つの理由
②:最後まで読まれるリード文を書くためのつ5のポイント
上記2点をメインにざっくりとまとめました。シンプルながら効果テキメンです。

毎回リード文を書くのに、時間がめっちゃかかる……
時間をかけてリード文を考えてるのに、記事冒頭の離脱率が下がらねぇぇっ!!
と毎回なんとなくでリード文を書いているあなたの一助になれば幸いです。
もくじ
1:リード文で 「自分に関係ありそう」と思えなければほぼ詰み
記事の導入部では、以下3点を意識して書くことがポイントです。
① 誰が、何について、どんな立場から書いているのかを明確にする
② その記事を読むと、読み手に「どんないいこと」があるかを強調する
③ 主語は「わたし」ではなく「あなた」にする
このうち一つでも欠けていると、読み手は「自分に関係なさそう」と判断し、リード文は破綻します。
つまり、記事の冒頭部で読み手が「自分に関係ありそう」「読むと得しそう」とワクワクした気持ちにさせられないと読まれません。
人は「わたしのことだ!」と気づいた瞬間、一気に関心が湧きます。
3つのポイントのなかでも意外と見落としがちなのが③です。
読み手に「わたしのことだ!」と自分ごと化して考えてもらうには、主語を記事を書いている「わたし」ではなく、読んでいる「あなた」にすることが大切です。
例を挙げると以下の感じ。
・「あなたは大丈夫ですか?」
・「あなたはこんな書き方をしていませんか?」
・「あなたはこんなふうに思ったことありませんか?」
・「あなたはこんなことで迷っていませんか?」
といった問いかけから、読み手の悩みやモヤモヤを先回りして言い当てるのが効果的。
「そうそう、そうなんだよ!」と思わず共感したり、ドキッとするような問いかけになっていればOKです。
“読み手ファースト”の観点がブレるほど、「わたしは〜、わたしは〜」の自分語りなポエマー的文章になり、読み手は「自分に関係がある」と考えにくくなります。
あくまで読み手が興味あるのは、「その記事を読むとどんないいことがあるのか」の一点ですよ。

リード文を書き上げたら、主語が「あなた」になっているかをチェックしましょう。
読み手に問いかけるような文章にリライトしてみてください。
2:リード文が重要な3つの理由
①:「読む価値があるか」を最初に判断する部分だから
「この記事、ちょっと面白そうかも?」と興味を持つタイミングって、ファーストビュー(タイトルとアイキャッチ画像)ですよね。
続いてリード文を読み進めるわけですが、読み手はリード文を読んで「この記事は読む価値があるか」を判断します。
忙しい現代人は、たとえスキマ時間の3分でもムダにできません。なのでリード文(記事の概略)を読んでいる途中で、、、

・・・なんか思っていた内容と違うっぽい?
と「コレジャナイ感」が増えるほどに離脱されます。
リード文は読み始めの段階なので見切りをつけるのも早いタイミングですが、最後まで読んでもらうための「最初で最後のチャンス」でもあるのです。
魅力的なリード文を用意し、読者の関心をグッと引き寄せることができれば、、、

・・・まぁ、ここまで読んじゃったしな。もったいないから最後まで読むか!
もったいない心理(サンクコスト効果)も働いて読み進めてもらいやすくなります。
また、目を引かせるテクニックの一つで、ターゲットユーザー(読み手)の馴染みが深そうなワードや表現、共起語(キーワードと併せて使われやすい言葉)を意図的にリード文に盛り込むのも有効です。
普段から関心や馴染みのあるワードには、選択的注意が働き目にとまりやすくなるので、「自分に関係ある」と感じやすいのです。
ただし関連ワードを強引に詰め込むと冗長な文章になったり、不自然でわかりにくい印象を与えたりする点には注意です。
②:リード文で離脱されたら、記事自体「なかった」ことになる
どれだけ時間と労力をかいた記事でも、冒頭で早々に離脱されれば、その記事自体が「なかった」ことになります。
というのも、あなたがいちばん伝えたかった内容(メインディッシュ)が読まれていないから。
つまり、あなたの記事を最後まで読んでもらえるかは「リード文にかかっている」と言っても過言ではないという話です。
そんなリード文を、毎回なんとなくで妥協して書いてはいけません。
リード文を書き上げたら、書き手視点を完全に封印し、読み手(お客さん)目線に振り切ってチェックすることが大切です。

リード文は、シビアなお客さん目線で「自分に関係ありそう」と思えるワクワクを感じられるまでブラッシュアップしましょう。
③ :効果的なリード文を書くとSEOにも好影響
リード文を効果的に書くということは、最初の「つかみ」が上手くいくってことです。
読み手の関心を引くことができれば、冒頭での離脱を抑えられ直帰率は下がり、続きの本文を読み進めてもらえることで、ページの平均滞在時間も長くなります。
ちなみにGoogle先生は、「直帰率とページ滞在時間の長さは、検索順位に直接影響しない」と言及してますが、直帰率とページ滞在時間の2つは、ユーザエンゲージメント(読み手のニーズを満たす)の指標になる部分とされています。
なので実質、リード文を効果的に書くことが、エンゲージメントを高めるための有効な施策となるため、SEO的にも好影響を及ぼすことが期待できる のです。

続いて、効果的なリード文を書くための5つのポイントについて解説していきます。
3:最後まで読まれるリード文を書くためのつ5のポイント
① :読み手の痛み(不安や悩み)を明確にする【課題提起】
課題提起とは、読み手の抱えている痛み(不安や悩み)の根本的原因を明確にして提起することです。
何が原因でその痛みが発生しているのか、根本的な原因がわからないと行動に移せませんよね。
でも原因がよくわからずに言語化できていない人が圧倒的に多い。そこで、「それは〇〇が原因です。だから■■するのが効果的です」と課題をつけつけます。
そのあとに解決のヒントを提示し、具体的かつ簡単な方法としてあなたの紹介したい商品・サービスへとつなげれば、展開もスムーズです。
原因がわかって課題がクリアになることで、「そういうことだったのか!」と読み手は納得できるので、あなたの言葉に聞く耳をもってくれるでしょう。
ただしユーザーインサイトがきちんと把握できていないと、課題が的外れになります。
課題設定がズレてると主張に信ぴょう性や説得力が備わらないので、「知りたかった情報じゃなかった」と判断されてしまいます。
ドンピシャの課題提起ができるまで、インプット・考察に十分な時間をかけることが大切です。
② :読み手の親近感を獲得する 【共感】
セールス用語によく出るワードのひとつに「ラポール」があります。
意味的には「相手との信頼関係を構築すること」でして、買い手と売り手の間に信頼という名の架け橋(ブリッジ)が架かった、“打ち解けた状態” を指します。
ではブログでいう「信頼関係」ってなんでしょうか? わたしは、コミュニケーションをとる相手の「無意識」にアプローチする関係だと思っています。
どちらかというと理屈より生理的な感覚に近いもので、警戒心がなく、「この人はわたしの味方でいてくれる」といった好転が生じることで、安心感や親和感が生まれる感じです。
相手もそんな気持ちを感じてくれていて、互いのコミュニケーションが前向きに影響し合うといった関係性です。
すみません、ちょっとわかりにくかったですよね。要するにラポールを意識すると、読み手の共感や親近感の獲得につながるメッセージが浮かびやくなります。
「ラポールを意識した書き方って何?」って感じだと思いますが、ざっくりいうと、自分が書きたいことじゃなく「読み手が知りたいこと」を書く です。
書きたいことと読み手が知りたいことが一致してれば問題ないですが、多くの場合、自分が書きたいことは「自己満の押しつけ情報」です。
書き手と読み手のニーズにミスマッチが起きないようにするには、「書き手のニーズ(書きたいこと)と読み手のニーズ(知りたいこと)の2つの円が重なる部分にフォーカスする」のがコツです。
重なった部分について語るぶんには大きなブレは生じません。文章におけるラポールの構築とは読む側の気持ちを慮り、「相手が知りたいこと」を汲み取って書くことだと思うのです。
③ :読むと「どんないいこと」があるかを伝える【結果の明示】
モヤモヤしてうまく言語化できていなかった課題を明確にし、ラポールを構築し、読み手の受け入れ体勢が整ったら、記事を読むと得られる結果(ベネフィット)を明示します。
ここはシンプルに、この記事を読むと「どんないいこと」を伝えればOKです。
読むと得られる結果(ベネフィット)をはっきりと示してもらえることで、読み手は「この記事は読む価値がありそうだ」と認識します。
また、「なぜ、そのような結果を得られるのだろう?」といった疑問もわき、読了を促す効果もありますね。
なおリード文の段階では、事細かな情報まで入れなくてOK。「どんないいこと」があるかを簡潔に伝えましょう。
リード文の本質は、記事の概略をわかりやすく伝えること。そして読み手をワクワクした気持ちにさせて、続きの本文を読み進めてもらうことにあります。
具体的な根拠や理由、補足などは、その後の本文でじっくりと伝えればいいのです。
④: そのテーマを語るに足るだけのスペシャリストだと印象づける【権威性】
「何を言うか」以上に重要なのが「誰が言うか」です。
記事の質としてはよくても、誰が言っているのかわからない文章はスルーされてしまいます。
たとえば、あなたが慢性的な肩こり持ちで、「いい対処法ないかなー」とググっていたとしましょう。そして以下のようなタイトルの記事を見つけたとします。
A:【厳選】肩こりにオススメの市販薬5選
B:予約が取れないカリスマ整体師が厳選! 肩こりにオススメの市販薬5選
AとB、どちらのほうが読んでみたいと思えますか。おそらくBですよね。
Bには「予約が取れない」「カリスマ」「整体師」といった、権威性をわかりやすく示すワードが盛り込まれています。
実際、医師など医療従事者から「この薬がおすすめです」と言われて、疑うことなく従った経験は誰にでもあるでしょう。

専門性のある人が書いている記事なら信用できそう

カリスマのおすすめって興味あるな
私も含めて世の中の大半の人に権威性はありません。しかし、あなたがその記事のテーマを語るに足るだけの人物であることをアピールし、権威性を示すことが大切です。
実績やネームバリューないからと無記名にしても、記事の信頼性は上がりません。それに権威性は「ちょい品がないくらい」のほうが目に止まりやすい。
ちなみに本記事の場合、記事冒頭部にある「某広告代理店の編集者・ライターの私が、実践で得た知見をもとに」が権威性を示す部分にあたります。
▼ ▼ ▼

「いや、しょぼくね?」と思うでしょうが、書き手の立ち位置がわかるだけでも距離感が縮まり、安心感が違います。
大切なことは、書き手がそのテーマ・ジャンルに精通していて、語るに足るだけの “スペシャリスト” だと印象づけられるかです。
語り手としてのポジションが明確であれば記事の冒頭から優位に立つことができ、文章にも説得力が出て信ぴょう性も高まります。
読み手は「専門性がある人が書いてるなら信頼できそう」と認識したときに初めて、聞く耳をもってくれるのです。
⑤ :ハードルを下げる言葉で「カンタンで効果がある」と思わせる【簡易性】
あなたはブログで商品・サービスを紹介する際、「ハードルを下げる言葉」を意識して使っていますか?
たとえば以下のような感じ。
・難しいことは一切ありません
・登録は3ステップで完了です。
・拍子抜けするほど簡単なのに効果的です
人はそもそもナマケモノ。「他人に言われたことだけをやってラクしたい」といったふうに考えがちです。
自分のなかで勝手にハードルを上げて、やらない理由をつくるのが得意なので、簡単だと思えないことにはなかなか腰を上げられません。
あなたが紹介したい方法(商品・サービスなど)が、実際にはそんなに簡単なものではなくても、言い回しや例えを用いたりして「簡単」「難しくない」と印象づけることで、心理的負担を下げることができます。
簡易性の強調テクニックの一つに「擬音」があります。たとえば以下のような感じ。
・リード文をスラスラ余裕で書けるようになりたいですよね?
・【1分で完了】サクッと登録だけ済ませておきましょう!
・○か×で答えるだけ! 車の最高売却額をズバッと査定します。
他にも、「ノンストレス」や「ローコスト」「ノーリスク」「ノータイム」など、「簡単そう」を想起させるワードをリード文に意識して織り交ぜるのもいいでしょう。
リード文を読んだところで、「思ってたより難しくないのかも?」と、読み手の先入観を払拭させる効果があります。
要するに簡易性とは、「参入するハードルが低い」とアピールすること。難しいと思い込んでいるようなことを、「意外と簡単なんですよ」と感じさせる見せ方にすることです。
読み手の心理的負担を下げることで「それならできるかも。やってみようかな」と、最後まで読んでもらうための助走になります。
4:ブログが最後まで読まれるかは「リード文次第」という話
というわけで今回は、ブログが最後まで読まれるかは「リード文次第」というお話でした。
読み手はリード文を読んで、読む価値の記事かどうかを判断します。なのでリード文の段階でピンと来るものがなければ、離脱されてほぼ詰みます。
結果として、あなたが一番に伝えたかったメインを読まれず終わるため、その記事自体なかったことになるのです。
今回の5つのポイントのうち、「これまで意識して使えてなかった」と感じるものがあったかと思いますので、既存の記事に取り入れてリライトしてみてください。
リード文は「なんとなく」で書いていた人ほど “伸びしろ” があります。改善効果も実感しやすいかと。
大事なことなのでもう一度言います。
リード文は「毎回型にはめて書く」を徹底することで、自分なりののテンプレート(勝ちパターン)がおのずと出来てきます。
そして、その型がデフォルトになるまでは実践あるのみです!

ご精読ありがとうございました。最後まで読まれるリード文をスラスラ書きたいあなたの一助になれば幸いです。
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リード文は導入文ともよばれ、目次や本文のまえに配置されることが多い文章です。
ざっくり言うと、、、