ライティングは情報を単に伝えるだけではなく、読者の心を掴み、興味を引くものでないといけません。しかし、そのプロセスは誰にとっても容易ではありません。
ライティングを生業とする人でも、時にはクリエイティブなブロックに直面し、適切な表現が出てこなかったり、簡潔にまとめられなかったりする場面に遭遇します。
そこで頼りになるのが、人工知能を活用した言語モデル「ChatGPT」です。テキスト生成や言語理解に優れた能力を発揮し、クリエイティブなアイデアを引き出して、自然な文章を生成するのに役立ちます。
ChatGPT単体でも十分な恩恵を得られますが、プラグイン(※有料版のChatGPT Plusの導入が必要)との併用で、その性能をさらに引き出すことができます。
※プラグインとは、ChatGPTをより強力で多機能にカスタマイズするための追加ツールのこと。いわゆる「拡張機能」です。ChatGPT Plusユーザー(利用料月額20ドル)で誰でも利用できるようになります。
たとえば、文章の構成や論理的な流れを改善するための機能、文法やスタイルのミスを検出して修正する機能、アイデアを刺激するための提示機能などがあります。
ライティング支援に特化したプラグインを積極的に活用することで、読者の心を掴み、興味を引きつける高品質な文章を、効率よく生産していけるようになるでしょう。
【追記】 ChatGPTのプラグイン機能は、2024年4月9日に終了しました
残念ながら、ChatGPTのプラグイン機能は2024年4月9日に終了しており、本記事で紹介しているプラグインは使用できなくなってしまいました(泣)
これからChatGPTの導入を思案している方は、GPTs(GPT Builder)を試してみることをオススメします。
GPTsは簡単に言うと、ChatGPTを特定の目的に合わせて、自分好みにカスタマイズできる機能のことです。また、カスタマイズした内容は公開して共有もできます。
ChatGPTプラグインの終了は、短期的には一部のユーザーや開発者にとって不都合なものとなるかもですが、長期的にはAI技術の進化ならび、市場の促進化の転換期になると思っています。
もくじ
ライティングに超役立つ! ChatGPTプラグイン7選【初心者向け】
①:WebPilot
指定したURLのウェブページを読み込ませて、情報を抽出したり、ページを要約したり、その内容に基づいた質問に答えたりすることができます。
わたしの場合、長文のニュース記事の文章や、複数のメディアの記事を一つの文章にまとめて読みたい時などに使ったりします。
たとえば以下のようなプロンプトを送信します。
以下のニュース記事をまとめて、300文字程度の文章に要約してください https://news.yahoo.co.jp/articles/707668d2ab5c30338e555ba5a9f97db60880dd8e https://news.yahoo.co.jp/articles/707668d2ab5c30338e555ba5a9f97db60880dd8e?page=2
指定されたURLは、読売新聞オンライン『発言小町』の掲載記事「セルフレジやスマホ注文に疲れる声…身近なIT化の落とし穴」という記事へのリンクです。
原文はそこそこ長文ですが、要求した文字数制限内で、高品質な要約文を返してくれています。
②:SEO CORE AI
「SEO CORE AI」は、ウェブページやキーワードに関するSEOとコンテンツの分析をしてくれるプラグインです。
指定したウェブページの内容と特定のキーワードを基に、サイトのレスポンス速度やページの読み込み(ロード)速度、設定したキーワードがページ内にいくつ含まれているかといったSEOパフォーマンスを表示してくれます。
SEOの最適化分析を行い、改善案を出力してくれる場合が多いですが、「ページの問題点を教えて」とか「具体的な改善策を挙げて」といった指示を行うことで、より具体的な改善案を挙げてくれます。
たとえば以下のようなプロンプトを送信します。
https://writehack.site/category-column-bose-qc2/ 上記ページのSEO観点における問題点を挙げ、対処法も教えて キーワードは「Bose QuietComfort Earbuds II」「レビュー」です
指定されたURLは、当サイトの記事「【レビュー】Bose QuietComfort Earbuds IIを2ヶ月使ってみた感想【期待を裏切られた】」へのリンクです。
ウェブページのSEOを強化するためには、ページのコンテンツを事細かに分析する必要があり、かなりの労力と時間を費やすことになります。
そこで「SEO CORE AI」のような分析ツールを活用することで、そのページの持つ強みや弱み、改善点を大まかに把握でき、圧倒的な時短にもなります。
また、異なる2つのサイトのURLを指定して、「サイトAとサイトBのページを比較して、Bの改善点を教えて」といった具合に指示すれば、改善案を提示してくれます。競合記事との差別化を図る上でも役立つでしょう。
指摘を踏まえてブラッシュアップを図ることにより、検索エンジンのランキング向上といった、訪問者を引き寄せるための打開策も見えてくるはずです。
③:AskYourPDF
「AskYourPDF」は、指定したURLのPDF文書から情報を抽出するプラグインです。
PDF文書の内容を読み込んで要約を行い、重要なポイントを把握できるので、長いPDFを読む時間を大幅に節約できます。内容に関する質問への答えを返してもらうこともできます。
また、外国語のPDFを読み込んで、その翻訳(日本語翻訳)の要約を自動生成してくれるので、翻訳の手間を省けます。
たとえば以下のようなプロンプトを送信します。
YourPDFで、以下を要約、解説してください https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms206_240103_01.pdf
指定されたURLは、消費者庁の公開資料「令和6年能登半島地震を受けた食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について」のリンクです。
要点を箇条書きに要約し、簡潔な解説文を返してくれています。
ただし容量が大きすぎるもの、写真や図などの複雑な表示が含まれたりするものはPDFを読み込めなかったり、分析が不安定になったりする点に注意が必要です。
④:Copywriter
「Copywriter」は、広告文の作成やウェブサイトの改善点の提案などを行なってくれるプラグインです。
分析してほしいウェブページのURLに指示を添えて送信すると、既存のテキスト(キャッチコピーや各見出し文、説明文)の代替案や、コンバージョン率向上を目指した改善案を提案してくれます。
わたしの場合、記事冒頭のタイトルでユーザーの関心を引けつけられていない際などに、改善のヒントを求めて使ったりしますね。
たとえば、以下のようなプロンプトを送信します。
***分析して欲しいウェブページのURL*** Copywriterで、上記ページのキャッチコピーの改善案を3つ提案してください。 また、ユーザーの興味を引けるようなインパクトを意識してください 日本語でお願いします
指定されたURLは、わたしが過去に担当した不動産査定サービスを行う企業の記事広告リンクです。
「ユーザーの興味を引けるようなインパクト」という指示を汲み取って、「あなたの家、もっと価値があるかもしれません」というフレーズを提案してくれていますが、これは査定しなかった場合、高値で売れるタイミングを逃して損をするかもしれないといった損失回避の心理をつくことから、現場レベルでも使えそうなクオリティですね。
成果の芳しくないコンテンツのアイデア出しに活用することで、作業の効率化につながりますよ。
⑤:PromptPerfect
「Prompt Perfect」は、プロンプトをより具体的に形に編成・変換してくれるプラグインです。
要は、質問の内容をより明確になるように変換してもらうことで、Chat GPTが質問の意図・要望を深く考察できるようになり、精度の高い回答を得やすくなるというものです。
使い方は簡単。プロンプトとして入力したテキストの後ろに「perfect」とテキストを追記するだけ。後は自動的に最適な文章へと変換してくれます。
たとえば、「恋人とよりを戻す方法を教えてperfect」と指示を出した場合、「恋人との関係を再び良好にするためのアドバイスをいくつか教えてください。」といったプロンプトに編成・変換されて、そのプロンプトに対する回答が出力されます。
注意点は出力がすべて英語である点です。そのため以下のように入力すると1回で済みますよ。
恋人とよりを戻す方法を教えてperfect 回答は日本語でお願いします
元の入力テキストがどのように変換されたのかを知りたい場合は、以下のような感じで質問すれば確認できますよ。
⑥:SceneXplain
「SceneXplain」は、画像の内容をテキストで詳細に解析する機能を追加するプラグインです。
ChatGPTに指定した画像URLを読み込ませると、画像内のオブジェクトや人物、活動、場所、およびその他の関連する要素に関する情報を言語化してくれます。
画像の内容を深く理解したい時、視覚的なデータからキーワードを抽出したい時などに便利で、お店の外観・内観のキャプションを考える際にも役立ちますよ。
たとえば以下のようなプロンプトを送信します。
URL先の画像を解析してください https://tabelog.com/imgview/original?id=r7612917886896
指定されたURLは、食べログに投稿されている二子玉川のカフェ「ソウル ツリー (SOULTREE)」への画像リンクです。
解析を通じて、画像の見た目だけでなく、その背後にある意味やシーンの細部まで理解することができます。
画像の特徴や雰囲気を言葉にしづらいときに、良いヒントをもらえるでしょう。
⑦:Content Rewriter
「Content Rewriter」は、指定されたURLのページ情報を読み取り、既存のテキストを取得して再構築(リライト)するプラグインです。
既存情報の大枠と意味合いを保持しつつ、パラフレーズ(原文や一節を別の言葉で言い換える技法)を用いて文脈を変えることで、新しいバリエーションの文章を生成できます。
私の場合、過去に公開した記事において新情報が判明した際に、改訂版(リメイク)で掲載したい時などに使用したりしますね。
伝えたい情報の大枠が一緒でも、異なる視点や角度から提示することで新たな価値を生み出し、幅広い顧客層へのアプローチも可能になるでしょう。
たとえば以下のようなプロンプトを送信します。
以下のページのテキストをリライトしてください。また日本語に翻訳してください。 https://www.famitsu.com/news/202403/05335884.html
指定されたURLは、ファミ通.comのニュース記事「【Amazon予約数ランキング】『FF7 リバース』4週連続首位。『エルデンリング』DLC3位、『真・女神転生V Vengeance』8位に【2/18~2/24】)」へのリンクです。
同一の情報やキーワードを用いながら、記事の構成や文字数、ターゲットを分けた文書を複数作成して横展開すれば、検索エンジンのランキング向上も期待できるでしょう。
おわりに
今回は、ChatGPTでのライティングを、超強力に支援してくれるプラグインを紹介しました。
なおプラグインのほとんどは英語圏で、日本語で細かく対応されていない実情があるため、プロンプトでは「目的を明確にした指示を出すこと」「英語で伝えること」を意識してみてください。
ChatGPTがどうにも精度の低い文章を出力してくる場合、どこがどう間違っているのかを具体的に指摘しましょう。ChatGPTは、一つのチャット内の会話を記憶して、情報を蓄積していくので、出力に対してのフィードバックを行うことにより、以前の回答に基づいて内容を改善したり、新たな結果を提供したりできるようになります。
この機能を活用し、複数の質問や指示を組み合わせ、修正(リテイク)を重ねることで、求めていた回答以上の結果を得ることに近づけていけるでしょう。
また、ChatGPTのプラグインを使用する際は、各プラグインがどのような機能を持ち、どんな制約やリスクなどがあるのかを、ひと通り理解しておくことも大切です。
その上で個人情報、機密情報を含むデータをプラグインを通じて送信しないよう留意することで、より安全かつ有効に、ChatGPTの機能を拡張していけるでしょう。
本記事で紹介したプラグイン以外にも、ライティング支援に特化したものはたくさんあるので、興味があるプラグインはどんどん試してみてください。それで使いづらいとか、思ってたのと違うのであれば、アンインストールすればいいだけなので。
ご精読ありがとうございました!
▼ こちらの記事も何気に読まれています
そこで記事では、広告代理店の編集者兼ライターである筆者が、ChatGPTのライティング支援に特化した、おすすめのプラグインを紹介します。
最近、ChatGPTを使用し始めたばかりの方にも扱いやすいものに絞ったので、どれも少しの操作ですぐに慣れ、使いこなせるようになるはずです。
それでは参りましょう!