ブログや企業案件の記事を公開後、時間をおいて読み返してみると、、、
・「なんか上から目線でエラそう」
・ 「なんか説教くさいな」
・ 「なんとなくイヤな感じ……」
と感じる要素があちこちにあって凹んだりもします。
戦略上キツめの語り口にしてるとか、ニーズがあるうえでの書き方であるなら問題ないでしょう。
でも多くの人は、「上から目線で書いているつもりはない」と思います。
それなのに、「コイツエラそう」「説教くさい」「高圧的」などと イヤな感じ に思われたら悲しいですよね。

とはいえ、何かしら「イラッ」「ムッ」とさせる要素があるから、なんかイヤな感じなわけですから事実として見過ごせません。
・自分でも気づかないうちに「上から目線」の物言いになっている
・「エラそう」「説教くさい」などとフィードバックされることがわりとある
ならば対策が必要です。

そこで今回は、無意識に「上から目線」の文章を書いてしまうのを防ぐ「10のポイント」を解説します。
「上から目線」と思われない文章を書くための10のポイント
①:アドバイスには「上から目線」のニュアンスが含まれる

ブログ記事の場合、記事の冒頭部で読み手の課題提起(不安や悩みなど)をおこない、解決のアプローチ(具体的な方法)を提示するといった流れが多いですよね。
この展開上、書き手は自らの実践で得た知見・経験則を踏まえて語る型になるのが一般的です。
書き手は「教える側」です。その立ち位置である時点で少なからず、「上から目線」のニュアンスが出るのは致しかたないこと。
書き手はその自覚を持ち、慎重に言葉や表現を選ばなくてはいけません。
ただし、多少「上からの物言い」でも、読み手に不快とは思われない場合があります。
どういう場合かというと、読み手が「この書き手には専門性がある。わたしより知識、経験、実績が豊富だ」と認識したときです。
つまり、「先生と生徒」「師匠と弟子」のような、教える側と教えられる側の立場が明確になったときですね。
すると「この人、言い方がキツいな」といった印象を与えることはあっても、「コイツ偉そう」とか「コイツ不快だわ」といったネガティヴな感情にはなりにくいものです。
書き手に専門性があると思わせるコツは、権威性をアピールすることです。それも記事のなるべく冒頭部がいい。具体的には書き手のプロフィール(職業や肩書き、実績など)を提示するのです。
読み手に聞く耳をもたせるには、「この書き手は、この内容・分野を語るに足るだけの知見を備えている」と読み手に思わせる必要があります。
そう印象づけることができれば、読み手は「この書き手は信用できそう」と認識し、「上から目線」のニュアンスも薄まります。
結果、文章の続きを読み進めてもらいやすくなるのです。
②:否定する前に、まずは相手を一度受け入れよう

自分の主張を述べる際、先に相手の意見を否定することで、マウントを取ろうする人っていますよね。
記事の執筆に限らずですが、なにかを否定する意見には「上から目線」のニュアンスが入りやすいです。
たとえ、その意見が的を射たものであっても、自分の意見をいきなり否定されて気分が良い人はあまりいないでしょう。
「言ってることは正しいかもしれないけど、コイツに従うのはシャクだな……」と反感を買いやすく、賛同を得にくくなります。
わたしは、結果的に自分の主張が他者の意見を否定することになる場合、否定からいきなり入らずに、まず相手の意見を一度受け入れるようにしています。
たとえば以下のような感じ。

なるほど! 鈴木さんは△△△と考えていらっしゃるのですね。わかります。とても重要ですよね。
ただ、□□□もアリかな〜とも思ってるんです。というのも、ぜひ鈴木さんに見てもらいたかった事例もありまして・・・
相手を否定することは同じでも、いきなり否定するのと一度受け入れてから否定するとでは、相手に与える印象は全く違ってくるものです。
相手の意見を一度受け入れることで、相手への理解と尊重を示せて、承認欲求もある程度は満たされます。
すると少し言いにくいような意見であっても、「たとえばですけど、こんなのはどうでしょう?」とスッと差し出しやすい雰囲気をつくれます。
こうすると否定より「提案のニュアンス」に近くなり、否定された側も「上から目線で意見されてる」といった印象になりにくいものです。
③:「あなたのせいではない」と正当化する

「上から目線」の印象を薄めるうえで有効な手法のひとつが、相手を「正当化」することです。
たとえば、TOEICの勉強を頑張ってるわりに点数がなかなか上がらない人をターゲットに、画期的な学習方法を紹介するといった記事を書くとします。
その際、成績が上がらない原因を「あなたの努力不足だから」と定義した場合、多くの人は「それは否定できないけど……」と思うでしょうが、同時にイラッともして離脱される確率が高まるでしょう。
ここでターゲットにすべきは、「サボってるから点数が上がらない人」ではなく、「頑張っている(つもり)のに点数が上がらない人」です。そうした相手には、努力してる点を認めてあげることが大切です。
そして、「成果が出ないのはあなたのせいではなく、別に原因(=悪者)があるからです」と、相手を正当化する展開が効果的です。
たとえば以下のような感じ。

「努力がまだまだ足りないんだ」と自分を責めないでください。あなたは十分に頑張っています。そこは自分を褒めてあげてくださいね。
ただ、「やり方」がちょっとよくなかったのです。
しかし、あなたが正しい「やり方」を知らないのは無理もないのです。というのも学校や予備校の先生であっても、きちんと教えられる知識・経験をもつ人が少ないからなんです。
でも安心してください。これから、その正しい「やり方」をすべて、あなたに伝授します。
誰でも簡単に即日マスターできるとは言いませんが、努力家のあなたなら、必ずやり遂げられます。自分を信じてついて来てください。
成果に結びつかなかったのは「やり方」を教えてくれる人がまわりにいなかったから。その機会に恵まれなかったあなたは不運でしたね、といったニュアンスです。
しかし、適当に責任転嫁しても、読み手を正当化できるほどの納得感は得られません。悪者の設定がどれだけハマっているかがポイント です。
「そうか! そういうことだったのか!」という気づきが新鮮なほど相手の納得感は増すため、分析と考察に十分な時間をかけて、「最適な悪者」を設定することが重要です。
「わかりみが深い」となるほど、「この書き手、なかなかわかっとるやないか」となり、親近感が醸成されます。
「これまでの努力はすべて無駄でしたね」とないがしろにするような言葉・表現はタブーです。
「成果が出ないのはあなたのせいではなく、別に原因(=悪者)があるからです」と正当化し、「あなたなら大丈夫です!」と背中を押してあげてください。
読み手に前向きになってもらい、受け入れ体勢が整うから、商品・サービスの紹介へのアプローチも自然になるのです。
④:書き手の「常識」が、読み手には「非常識」というのはざらにある

自分の主張を切り出す際、「普通は」「常識的に」「一般的に」のような “前置き” を挟むことってよくありますよね。
「みんなが思っている」の大義名分的なニュアンスが簡単に出せるので多用しがちですが、こうした言葉をよく使う自覚があるなら注意が必要かもです。
「自分がそうだから、みんなもそうに違いない」の思考はわりと危険です。
よく考えてみたら根拠がなかったりしますし、知らず知らずのうちに自分基準の「常識」を他人に押しつけているなんてことも。
自分には「常識」でも、相手からすれば「非常識」なんてことはざらにあるものです。
ときには自分のなかにある常識・ルールが「本当にそうなのか?」と疑ってみることも大切。常に客観的な視点で物ごとを観察し、慎重に言葉・表現を選ぼうとする意識を持ちたいものですね。
⑤:「クッション言葉」で言葉の衝撃をやわらげる

わずかな「イヤな感じ」でも積もれば、記事への興味は失われていきます。
ストレートに伝えると相手に不快な印象を与えかねない懸念がある場合は、「クッション言葉」を添えて衝撃を和らげるといいですね。
クッション言葉がある・ないでの違いをみてみましょう。
【なし】ご用意はできかねます。
【あり】たいへん心苦しいのですが、ご用意はできかねます。
【なし】カスタマーセンターまでご一報ください。
【あり】たいへんお手数をおかけいたしますが、カスタマーセンターまでご一報ください。
【なし】少々お時間をいただけますか?
【あり】差し支えなければ、少々お時間をいただけますか?
クッション言葉がなくても失礼というほどではないですが、あったほうが物腰がやわらかく、相手を慮ったニュアンスを感じられますよね。
人は機嫌が良いときほど、心を開きやすいものです。クッション言葉を添えることで言葉の衝撃がやわらぎ、ちょっと切り出しにくいようなことでも、言いやすくなります。いわば「踏み切り台」のような役割を果たすのです。
状況や相手のテンションなどに応じて、クッション言葉を添えるひと手間があるかで、印象がグッと良くなる差になることもあります。
⑥:自分の黒歴史(恥ずかしい失敗など)を打ち明ける

自分の恥ずかしい過去なんてカッコ悪くて話したくないと思うかもですが、自らが体験した黒歴史をあけすけに打ち明けたほうが、読み手からすれば親近感を抱きやすいものです。
いわゆる「自己開示」とよばれるテクニックで、たとえば以下な感じです。

今でこそ副業だけで年収1千万を超えたわたしですが、これまで数え切れないほどの失敗をしてきました。
お恥ずかしい話、「〇〇(具体的なエピソード)」をしたこともあったんですよ(笑)
しかし、そうした体験があったからこそ、いまあなたがどんな状況にあって、どのような不安と日々闘っているのかが痛いほどよくわかります。
だからこそ、あなたにいま何が必要か、具体的なアドバイスをすることもできるのです。
書き手がかつて乗り越えた壁とは、今まさにあなたが乗り越えようとしている壁に他なりません。
そして、その壁を乗り越えるための「攻略法」を知っているわけですから、あなたのメンター(お手本)の立ち位置にいる人なのです。
そんな先達が、自分の失敗体験や恥ずかしい過去を、正直に打ち明けてくれたなら、、、

・こんなことまで話してくれるなんて嬉しいな!
・こんなすごい人でも、数年前まではいまの僕みたいに悩んだり苦しんだりしてたのか……
・失礼だけど、この人でも上手くいったんなら、僕にもできるかも!?
といった具合に自信を持つことにもつながるのではないでしょうか。
自分とあまりにもかけ離れた人の成功体験の場合、自慢話に聞こえることもありますが、「しくじり系」の体験談であれば、それを鏡にして素直にメッセージを受け取ってもらいやすい。
いい意味での反面教師のメッセージは、「上から目線」のニュアンスが薄まるのです。
⑦:ポジションが明確であれば、上から目線とは思われにくい

あなたがこれまでに読んだインフルエンサーのブログで、「この人、言い方キツイな」と感じたことがある人の顔を思い浮かべてみてください。
たとえば、ホリエモン(堀江貴文)さん、ひろゆき(西村博之)さん、イケダハヤトさん、西野亮廣さん あたりを連想した方も多いかもしれませんね。
ただ言い方がキツいとは思っても、その人のことが特に好きでなくても、「説得力あるな」とは思うのではないでしょうか。
これは彼らが自分のポジションを確立することにより、終始優位な立ち位置から主張できているためです。「ポジショントーク」などとも言いますが、立ち位置が明確な人の言葉には重みがあり、権威性を感じられるものです。
また、彼らのように影響力のある人たちはみな例外なく、確固たるポリシー(理念)を持ち合わせています。自分のポリシーを貫ける人にはそもそも迷いがなく、その言動には他者を突き動かすほどのエネルギーにあふれている。
文章の世界ではよく「何を書くか」より「誰が言うか」が重要といわれます。仮に私が堀江さんとまったく同じ内容を発信したとしても反響は得られません。「お前が言うな」になります。
これは発信内容が正しいとか正しくないではなく、「権威性がない」からです。優れた文章を発信できている人でも権威性がゼロなら、「うさん臭いブロガーが上から目線で何かほざいてる」とみなされて終わります。
じゃあ「名もなきライター」たちの文章なんぞ誰も興味ないのかというと、そんなことはありません。
先述のとおり、あなたに「その内容を語るに足るだけの知見がある」と読み手に印象づけられれば「テーマの語り手」としてのポジションを確立確できます。
そうすればネームバリューは関係なし。権威性が宿り言葉にも重みが出て、上から目線と思われにくくなるのです。
⑧:人は「自分で決めた」ことなら納得して行動できる

ブログで記事やアフィリエイト系の記事を場合、読み手の抱える課題に対して、具体的な解決法を返すというのがセオリーです。
そしてアフィリエイト系の記事の場合、その解決法はあなたが買わせたい何かしらの商品・サービスですよね。
実際、周囲から「これオススメだよ」と勧められて購入する機会はよくあります。
でも人は他人に勧められても、最終的には「自分の意志で決めた」という実感が欲しいものです。
心理学の用語では「コントロールの錯誤」といって、人は他者が選んだものよりも、「自分の意志で選んだもののほうが価値がある」と感じる傾向があります。
この心理も踏まえると、商品・サービスの購入といった何かしらの決断を相手に促す際には、「最終的には自分の意思で決めたこと」と実感してもらえるような流れを考える必要があります。
ちょっとわかりにくいと思うので、一例を挙げます。
あなたは新しいスーツを買いに、洋服店にやってきました。店内を物色していると良さげなスーツを発見。すると店員がやって来て、あなたに話しかけてきます。
あなたは以下のAとB、どちらが「試着してみるか」という気になりますか?

そちらのスーツ、良い商品ですよ。ぜひ試着してみてください。

そちらのスーツ、良い商品だと思いませんか? よかったら試着してみませんか?
「たいして変わらんやん」と思ったかもしれませんが、けっこう違います。
【B】は「問いかけ型」で、そのスーツが良いものかはあなたが判断することです。また、試着する決定権をあなたに委ねている点が違います。
一方【A】の場合、店員の価値観・願望を押しつけられる形になり、わずかですが「上から目線」のニュアンスも感じとれます。
人は質問されると、理由や答えを探すために積極的に関与し始めます。Bのように問いかけられた場合、たとえば、スーツの風合いとか着心地などを確かめたりするでしょう。
それから自分の視覚や触覚など五感をを通して、「たしかに良い商品だな」と思えれば、「自分で決めた」となり、納得して行動できるものです。
もちろん、【A】が失礼ということではないです。ただし、人は他人から何かしらの行動を促されると、少なからず抵抗感や強制感を抱くもので、「上から目線」にもつながる危険性はあります。
そうしたリスクを極力なくすうえでも、問いかけ型などを意識して、「最終的には自分の意識で決めた」という実感を得られるようなアプローチが効果的です。
そのほうが、相手の意向や気持ちを慮ったニュアンスを感じられますし、「まぁ、せっかくだから試着してみるか」といった能動的な行動へ移しやすくもなるのです。
⑨:「です・ます調」の一辺倒はよくない

「です・ます調」は敬体といって、丁寧の意を表す語を使う文体です。一方、「だ・である調」は常体といって、普通の口語の文体と表現されます。
ざっくり言うと、前者は丁寧で柔らかい、ソフトな雰囲気の文章に。後者は断定的で硬い、引き締まった雰囲気の文章になります。
その記事に「適した文体」は、ターゲットや掲載媒体、訴求軸などによっても変わってきます。
比較的ライトな読み物として提供する記事の場合、「です・ます調」が無難でしょう。読み手にやさしく語りかけるような雰囲気になるため高圧さがなく、親しみやすい印象を与えます。
ただし、「です・ます調」の一辺倒になるのよくありません。
終始丁寧すぎる言葉づかいや表現が続くと、堅苦しい印象になりますし、どことなくマニュアルっぽい感じにもなります。
たとえば、友達とおしゃべりをしていて、あなたがずっとフレンドリーに話しかけているのに、友達は終始「です・ます調」で馬鹿丁寧に返してきたら、段々イラッとしてきますよね。
「です・ます調」本来のメリットである丁寧さが逆に、「エラそう」「バカにしてる?」と嫌味っぽく感じられたり、「上から目線」のニュアンスが濃くなったりする場合もあります。
また、「です・ます調」は、語尾が変化しにくいため、続けて使用すると単調な印象を与えることがあります。
文末で連続して使わないようにする。体言止めにする。「〜ですね」「〜ますよ」など語尾をやんわりさせる。などでリズムを意識するといいですね。
使いどころは限定されるでしょうが、「!」「?」の感嘆符・疑問符や、「♪」「★」(笑)(泣)などの記号や絵文字、顔文字などを使った見せ方なども取り入れて、文末表現のバリエーションを増やしましょう。
⑩:「読み手の頭の中にない言葉」はなるべく使わない

✔ 日常的に使わない、馴染みがない言葉や表現
✔ 聞いたことがない専門用語や、意味がわかりにくい業界用語
✔ 「これ、なんて読むの?」となる難読漢字
読み手に馴染みがない言葉・表現が多く出てくる文章は、読み手に「上から目線」の印象を与え、読む意欲を損なう場合があります。
「読み手の頭の中にない言葉」を多用すると、「これくらいはあなたも知ってるでしょ?」的な書き手の自意識の高さが垣間見えます。
また、書き手はその分野の知識や経験があるので専門用語や業界用語を自然に使えますが、読み手の大半はそうじゃないですよね。
もちろん、専門用語や業界用語を使うなって話ではありません。用語は使わなさすぎても、それはそれでわかりにくくなるので。
ターゲット(読者層)があらかじめ絞れていて、読み手に前提知識(専門性)が期待できる場合、むしろ積極的に使っていくほうが読み手の理解を助けるでしょう。
また、専門用語や業界用語をあえて使うことにより、「この書き手は専門性がある」「自分と同じ業界の人だ」といった安心感や親近感にもつながります。
基本的には誰が読んでも「???」とならない文章を心がけたいつつ、ケースバイケースで調整する柔軟さをもっておきたいものですね。
【さいごに】心のどこかで「教えてやるんだ、ありがたく思え」とか思っていませんか?

お疲れさまでした。
気になったポイントはもう一度、読み返してみてくださいね。
そもそも忘るべからずなことがあります。
世の中には数十億ものWebサイトがあって、それ以外にも本や動画、音声などさまざまな媒体を通じて情報を得ることができます。
その中からわざわざ、あなたのサイトに足を運び、貴重な時間を割いて読もうとしてくれたユーザーに対し、「上から目線」で文章を書くこと自体が失礼すぎる って話です。

もしも心のどこかで、「教えてやるんだ、ありがたく思え」とか思っているとしたら、「コイツ、上から目線だな」と思われて当然というものです。
常に「奉仕の精神」で書いていきたいものですね。
ご精読ありがとうございました!
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某広告代理店で編集者兼ライターをしているHiraQです。
文章って難しい……つくづくそう思います。